自由民主党の高橋克法です。私は自由民主党・公明党を代表して、ただいま議題となりました、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案について、望月環境大臣に質問します。
(1)非常災害の定義
今回の法案は、非常災害により生じた廃棄物の処理について、平時から実際に災害が発生した時の対応まで、切れ目のない対策を講じることを目的としています。
そこでまずお伺いしたいのは、本法案で言う「非常災害」とは、どの程度の災害を想定しているのかという点です。過去の事例に照らせば、東日本大震災が該当するのは当然として、他にどのような災害が当てはまるのでしょうか。つまり、本法案に定める非常災害時の措置は、どのような災害であれば発動されるのでしょうか。
自治体や事業者にとって、本法案がどの程度の災害を想定しているのかによって、それを受けた対策も変わってくるはずです。また、この点について各自治体に共通認識がなければ、それぞれの対策にも整合性が取れなくなります。非常災害の定義について、具体例をお示し頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。大臣のご見解を伺います。
(2)平時からの廃棄物処理システムの強靭化
次に、平時からの取組について伺います。非常災害時には、施設の損壊や対応できる人員の不足などにより、平時よりも限定された能力で廃棄物処理を行うことが強いられます。したがって、平時に全く余裕がないような状態では、災害時に処理がパンクしてしまうのは明らかです。
災害時を見越して、平時から十分な人員・体制の整備、施設の処理容量の強化、耐震化や老朽化対策、周辺交通路の整備など、廃棄物処理システム全体の強靭化を図っておく必要があると考えます。
こうした対策の重要性については、本年二月に環境省が公表した「巨大災害発生時の災害廃棄物処理に係る対策スキーム」においても述べられています。平時からの廃棄物処理システムの強靭化について、地方自治体が行うべき施策と、そのための国の支援策をどのようにお考えでしょうか、お聞かせ下さい。
(3)民間事業者との連携体制の整備
次に、民間事業者との連携体制について伺います。災害廃棄物の処理にあたっては、処理業者をはじめ、建設業者や解体業者、運搬業者など、様々な事業者の協力が必要です。また、広い土地を持っている事業者には、廃棄物の一時保管に協力をお願いする場面も出てくるかもしれません。
こうした民間事業者との協力体制について、本法案では「非常災害時における連携及び協力の確保」という規定が設けられています。また、環境省では、平時からの取組として、民間事業者も含む地域ブロック協議会を立ち上げて、情報交換や協議を行っていると伺っております。
これらについて、具体的には、どの範囲の民間事業者を対象として、どのような連携体制を構築しようとしているのか、政府の方針をお聞かせ下さい。
(4)自治体に対する財政支援のあり方
最後に、市町村に対する財政支援のあり方について伺います。本法案では、市町村が行う指定災害廃棄物の収集、運搬、処分について、国が代行できることを定めるとともに、市町村が負担する費用について財政上の措置を講ずるよう努めることが規定されています。
東日本大震災で明らかになったように、大規模災害時には、廃棄物の処理ができなければ、復旧・復興が始まりません。
国が自治体に対してどのような財政支援を行うのか、可能な限り事前に、表明しておくことが重要だと考えますが、いかがでしょうか。大臣のご見解を伺います。
東日本大震災の時、震度6強、住宅被害3,434棟、災害廃棄物の量2万1,700トンであった栃木県高根沢町の町長の職にあった者として、災害時に政府の適切なバックアップがあれば、市町村は自らの力を発揮できると思っております。万全の対策を講じて頂くことをお願いして、私の質問を終わります。